2013年1月13日


那珂川町馬頭広重美術館





3連休どこもいかないのはつまらないので、栃木県にある那珂川町馬頭広重美術館へ足を伸ばすことにしました。

この美術館は2000年に、世界的に有名な建築家である隈 研吾氏によって設計されたものです。私はあるきっかけで隈氏の講演を聞くことになり、そこでこの建物を建てたいきさつなどについて触れていたことから、とても興味をもっていました。

詳しい解説は、隈氏の著書 「自然な建築」(岩波新書)に譲るとして、この建物の特徴を簡単に述べると旧帝国ホテルを設計したフランク・ロイド・ライドに多大な影響を及ぼした江戸時代の浮世絵師である安藤広重の描いた「雨の直線」に対するオマージュであります。



安藤広重の描く「雨の線」
(東海道五十三次「庄野」部分)









写真をご覧になるとお分かりのように杉で造られた無数の直線が屋根、壁の一面に装飾されています。

この杉は地元の八溝杉(やみぞすぎ)を使ったものであり、この建物の裏にある山(ご神体)に対する鳥居をイメージしてデザインされているそうです。いわば建物は山(ご神体)の引き立て役であり、隈氏の言葉を借りれば「媒介する建築」と言えるでしょう。

確かに建物と裏山の自然が一体になったデザインで、20世紀以降の自然と人工物を分断するような建築とは違う、こういう発想に私はとても感心させられました。










入り口とも言える「孔」を抜けるとこんな感じです。
















この辺りは、のどかな山里といった町でとても静かな場所です。今回は子供を連れていったため、近くにレジャー施設がなかったのが正直言ってつらかったのですが、のんびりドライブする場所にはとてもよい場所でありました。


撮影日:2013年1月13日
NIKON D2X で撮影。


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